2009年12月11日金曜日

海外の出来事

2014.10.05
香港デモ:占拠1週間 「強制排除も」 行政長官示唆

【香港・鈴木玲子、北京・工藤哲】香港政府トップの梁振英(りょうしんえい)行政長官は4日、テレビ演説で「政府と警察には社会秩序回復のために行動する責任と決意がある」と述べ、週明けの6日までに政府庁舎周辺での占拠行動を停止しなければデモ隊の強制排除もあり得るとの考えを示唆した。次期行政長官選挙の制度改革に抗議する大規模デモは5日で開始から1週間。1997年の中国への返還以来最大規模の混乱は重大な局面を迎えようとしている。

梁長官は演説で、九竜半島の繁華街・旺角(モンコック)で3日に起きた路上占拠に反対する住民とデモ隊の衝突について、「このままでは制御不能となり、市民の安全に重大な結果を招く」と指摘。

さらに、「最も差し迫った問題は6日に政府職員が出勤できるかだ」と述べ、強硬措置も辞さない構えを見せた。

警察当局は4日、旺角での衝突で20人を逮捕したと発表した。この衝突では少なくとも37人が負傷した。

旺角では4日もデモ隊と住民の小競り合いが続いた。占拠に反対する親中派は「青いリボン運動」を始め、九竜で集会を開催。民主派が活動の象徴にする黄色のリボンに対抗し、青いリボンをつけて抗議した。

九竜の繁華街・尖沙咀(チムサチョイ)ではデモ隊が解散し、主な占拠地区は行政長官弁公室(官邸)や政府庁舎がある金鐘(アドミラリティ)、繁華街の銅鑼湾(コーズウェイベイ)と旺角の3カ所に減った。

学生団体は4日、「デモ隊への暴力に対する納得できる政府の説明がない限り対話はない」と発表。学生らは同日夜、金鐘で数万人規模の集会を開いた。

民主派が反発するのは、中国が決めた制度改革の原則で、民主派の立候補を阻む高いハードルを設けたことにある。

香港の事情に詳しい外交関係者は「中国指導部は香港について、国の安定を脅かす『外部勢力』の影響の強い地域と受け止めており、民主派が行政長官になる仕組みは絶対に認められない。自由な制度が適用されれば、チベット自治区や新疆ウイグル自治区などで独立機運が高まると懸念を強めているのではないか」と指摘する。

香港政府としては中国政府に背いて選挙制度改革で民主派に譲歩する考えはなく、デモの長期化による影響に危機感を強めているが、強制排除に踏み切れば再び国際社会の非難を浴びることは確実で、情勢を慎重に見極めている模様だ。

◇市民に世代間ギャップ 揺れる将来像

【香港・隅俊之】香港のデモ隊で大半を占めるのは大学生などの若者だ。学生は9月22日から授業のボイコットを開始し、28日からの路上占拠ではソーシャルメディアを駆使して数万人を集めるなど原動力になっている。これに対し、経済的影響も考慮する中年層などは混乱に懸念を示す人も多い。香港の将来像をどう描くのか。中国の影響力が強まる中、その問いを突きつけられた市民の心も揺れる。

4日も占拠反対派の住民とデモ隊のにらみ合いが続いた旺角。香港紙は、占拠反対派の住民に「報酬」が用意されていたとして、デモ隊の求心力低下を狙った親中派の組織的な妨害工作の可能性を伝えた。

ただ、にらみ合いから離れた場所では、黙って見つめる市民の姿も多い。多くは中高年だ。会社員の男性(53)は「中国政府も香港政府も支持しない。だが、混乱が続くことは香港の将来に良いことではない」と首を振った。旺角で暮らす販売業の女性(48)は「この1週間、商売は全くできない」と怒った。

一方、金鐘で抗議している女子大学生(19)は「新たな選挙制度を受け入れたら自由な立候補の道は断たれる。最後まであきらめない」と語った。デモ隊の中にいた呉建英さん(51)は、香港政府が妥協する可能性について「残念ながらゼロ。学生の要求も現実的ではない」と言うが、ほぼ連日、デモに参加している。

若者の行動について呉さんはこう語った。「かつての香港は中国本土とは全てが違って輝いていた。でも、今は本土の大都市と外見上はそれほど違わない。残る香港らしさは民主主義や自由という価値観。彼らは香港のアイデンティティーを守ろうとしているのだと思う。私はもう中年だが、彼らを応援したいんだ」


2011.10.21 10:52
「どうなっているんだ」 「ネズミ」に髪つかまれ小突かれる 独裁者、屈辱の末路


約42年にわたってリビアに君臨した独裁者・カダフィ大佐。政権崩壊後も行方をくらまし続けた大佐は出身地の中部シルト周辺に身を潜め、空爆で脱出を阻まれた上、下水管に隠れているところを発見された。側近が降伏を申し出たが、ついには「ネズミ」とさげすんだ民兵らに髪をつかまれたり、小突かれたりの屈辱を受けて散った。連行される際に「どうなってるんだ」とつぶやく大佐。独裁者の末路の様子を、ロイター通信などの報道で再現した。

中東の衛星テレビが伝えた映像によると、カダフィ氏は顔面が血まみれで、自動小銃や短銃を持った民兵に囲まれていた。小型トラックのボンネット部分に押しつけられるように立たされた後、連行されていった。国民評議会は、銃撃戦で頭部に銃弾を受けたのがカダフィ氏の死因だと説明するが、ロイターは評議会高官筋の話として「生け捕りにした後、民兵が殺した。抵抗したのかもしれない」と伝えた。(共同)


2011/3/20/2:13
仏軍機がリビア攻撃 多国籍軍、軍事介入開始


フランスのサルコジ大統領は19日午後(日本時間同日深夜)、英仏米などを中心とする多国籍軍がリビアに対して軍事介入を開始したと発表した。AP通信は仏国防省の話として、同日夕、仏軍機がリビア政府軍の車両などを攻撃したと報じた。同国上空の飛行禁止空域の設定をめぐり、欧米諸国やアラブ連盟などが19日、パリで緊急の首脳級会議を開き、カダフィ政権の反体制派に対する攻撃を止めるため、軍事介入に踏み切ることで合意した。

会議後、サルコジ氏は「本日、我々は国連安保理決議に従って、アラブ諸国をはじめ有志国とともにリビアに介入する」と宣言。「多国籍軍の航空機がすでにカダフィ政権による(反体制派拠点の)ベンガジに対する攻撃の監視に入った」と空域偵察を進めていることを明らかにした。

また「我々の空軍は、カダフィ大佐による(反政府勢力への)攻撃に対抗する」とカダフィ政権が攻撃を停止しなければ空爆などの軍事攻撃に移ることを示唆する一方、「カダフィ大佐はまだ最悪の事態を避けることができる。外交の扉は攻撃がやめば再び開く」と武力攻撃によらない解決に含みをもたせた。

AFP通信によると、偵察飛行をしているのは仏空軍のラファール戦闘機。ほかに米軍などが空中警戒管制機(AWACS)を待機させている。英空軍はトルネード戦闘機などを投入する方針を表明している。カナダも作戦に参加する方針を明らかにした。

2011.2.21
チュニジア政変以降、反政府デモや抗議活動などが起きた国。





アラブ諸国で広がる反政府デモ
広がる反政府デモの動き
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2011.3.1
カダフィ大佐に忠実な部隊が国境付近に集結、米軍は艦船移動

地元住人によると、リビアの最高指導者カダフィ大佐に忠実な部隊が1日、チュニジアとの国境付近の町ナルートに集結している。一方、米国はリビア周辺に艦船や空軍を移動させていることを明らかにした。
ナルートはチュニジアとの国境から約60キロの地点にあるリビア西部の町。住人は、反体制派からナルートを奪還しようとカダフィ大佐支持派が攻撃の準備をしているのではないかと懸念している。
米国をはじめとする各国政府は28日、緊迫化するリビア情勢に対応するための軍事的選択肢を協議した。
ライス米国連大使は、カダフィ大佐について「現実から切り離されており、自国民を虐殺している」と非難。指導者にふさわしくないと指摘した。
同大使は、米国が軍事的選択肢について北大西洋条約機構(NATO)加盟国と他の同盟国と協議していることを明らかにした。米国はまた、同国にある約300億ドルのリビア資産を凍結し、カダフィ大佐とその一族がアクセスできないよう阻止したことも明らかにしている。 
キャメロン英首相は、カダフィ大佐の退陣を要求し、退陣圧力をかけるために全ての措置を講じる考えを示した。
首相は「われわれは、軍事資産を活用する可能性を排除しない。飛行禁止空域を設ける計画について友好国と協力するよう、国防相と防衛スタッフ責任者(CDS)に求めた」と述べた。
また、オーストラリアのラッド外相は、リビア上空での飛行禁止区域設定を承認するよう国連に求める考えを示した。 
かつてリビアの宗主国であったイタリアのフラッティーニ外相は、ロイターに対して、飛行禁止区域設定は効果的な措置であるが、まず国連安全保障理事会での承認が必要、との考えを示した。また、他国がイタリアの基地を使用することを許可することを検討していることも明らかにした。
クリントン米国務長官は、ジュネーブで開催されている国連人権理事会での演説で、カダフィ大佐に即時退陣を迫った。 
一方、カダフィ大佐は米ABCと英BBCの共同インタビューで「全ての国民は私を愛している。彼らは私のために死ぬだろう」と述べた。

2011.2.20 20:22
「中国に人権はない」 上海の繁華街が一時騒然

「中国に人権はない」。政治改革を求める集会開催の呼び掛けがあった中国。上海市の繁華街では20日午後、集合場所とされた商業ビル前から若者らが連行され、居合わせた人たちが大声で抗議するなど、騒然とした雰囲気に包まれた。

若者らは警察官に両脇を抱えられ「なぜ捕まえるんだ」などと叫びながら抵抗。商業ビルから100メートルほど離れた警察署に無理やり連れ込まれた。居合わせた数人の年配者らが警察署前で「中国には人権も法治もない。警察はならず者だ」と大声で抗議し、うち男性1人が連行された。

商業ビル前では、若者らが連行された後も「ネットで知ってやって来た」という若者らが歩き回っていた。警察官約40人が警戒し、集まっていた数百人を立ち去らせた。

2011.2.19 09:58
バーレーン武力鎮圧で多数死傷、リビアは死者35人以上

バーレーンの首都マナマで18日、治安部隊がイスラム教シーア派の反政府デモ隊を銃撃、武力鎮圧に乗り出した。ロイター通信によると、少なくとも66人が負傷した。4人が死亡したとの情報もある。バーレーン情勢はさらに緊迫化しそうだ。リビアでは全土で数万人がデモに加わっていると伝えられ、騒乱状態が深刻さを増している。最高指導者カダフィ大佐は1969年の無血クーデターで権力を掌握して以来、最大の危機に直面している。

野党と対話命令

バーレーンのハマド国王は18日、同国のイスラム教シーア派系最大野党「ウェファク」などと対話を進めるよう、軍副司令官を兼務するサルマン皇太子に命じた。地元テレビが伝えた。皇太子は、シーア派住民がデモを起こした原因にもなった差別待遇改善に向け、事態沈静化後にシーア派住民と対話する用意があると語った。

皇太子は、今回の事態の責任をとって、ハマド国王のおじであるハリファ首相に辞任を求めた。同首相の在籍は約40年間に及び、シーア派住民の間で評判が悪かった。


2011.2.13
イエメン:イエメンやアルジェリアなど周辺諸国でも反政府デモ激化

ムバラク政権崩壊から3日目、初めての週明けを迎えたエジプトでは、13日、タハリール広場の車両規制が解除されるなど、通常の生活に戻りつつある。一方、イエメンやアルジェリアなど、周辺諸国でも反政府デモが激化している。
カイロ市内にあるタハリール広場に、車が戻ってきた。
12日までは、軍の装甲車によってバリケードが敷かれていたが、現在は車が自由に通行できるようになっており、タハリール広場に元の姿が戻ってきた。
歴史的な政変の余韻に浸ろうと、広場に残っていた人たちも、エジプトの週明けにあたる日曜日の朝を迎え、徐々にタハリール広場を離れ始めている。
また、軍人が広場に張られたテントを次々に撤去し、広場に残ろうとする人たちと、もみ合いになる場面も見られた。
政権を掌握した軍が12日、民政移管や国際協定の順守を表明したのを受け、市民らは、改革への期待を口にした。
カイロ市民は「失業率も高い。でも、これからは良くなると信じている」と話した。
地元メディアによると、反政府デモへの武力鎮圧などの捜査のため、ナジフ前首相やアドリ前内相らが出国禁止を命じられたほか、ムバラク前大統領に近く、自宅軟禁下に置かれた情報相が辞任したという。
一方、イエメンやアルジェリアでは12日、大統領退陣を求める大規模な反政府デモが発生し、治安部隊と衝突した。
アルジェリアでは、デモ参加者400人以上が拘束されたとの情報もあり、エジプトの独裁政権崩壊の波は、周辺アラブ諸国へと広がっている。

2011.2.12
イエメン:新たな変化を前にした中東

中東諸国は、現在、新たな状況を迎えようとしています。地域の民衆蜂起の発端となったのは、チュニジアの民衆革命でした。

チュニジアの一人の若者の焼身自殺が、現在、中東や北アフリカで起こっている革命のきっかけとなりました。エジプト、チュニジア、ヨルダン、イエメン、アルジェリアはここ数日、反政府デモの舞台となっていました。12日土曜には、アルジェリアのブーテフリカ政権に抗議する大規模なデモ行進が行われる予定です。アルジェリアでは3000人の警察が、首都に配備されています。
また、11日金曜、エジプトでムバラク大統領が辞任を発表した後、アルジェリアではエジプトの人々を支持するデモが行なわれました。このデモは、警官と衝突し、暴力に発展しました。アルジェリアのデモ隊と治安部隊の衝突の結果、数名が負傷し、逮捕者も出ました。
ヨルダンでも、同様のデモが行なわれました。ヨルダンの大学生数百人が、エジプトの民衆蜂起を支持すると共に、先頃樹立された新政権の退陣を求めました。先週ヨルダン政府の政策に対する抗議が拡大したことを受け、リファーイ首相が辞任し、バヒート政権が樹立されました。ヨルダンの政治におけるこうした変化は、同国の人々の不満を解消することは出来ませんでした。ヨルダンでは依然として、政府に対する抗議が続いています。
イエメンも、一触即発の状況となっています。イエメンの南部運動の支持者数千人が、南部の州で11日金曜、デモを行ないました。イエメンの法律家や学生数十名も、首都にあるサナア大学の前で反政府デモを行ないました。
中東地域は新たな変化のときを迎えています。チュニジアでベンアリ政権が、エジプトでムバラク政権が崩壊し、地域のアラブ諸国を支配する独裁政権に警鐘が鳴らされました。政治評論家は、「これまで存在していたものとは大きく異なった、新たな中東が形成されつつある」としています。地域での、アメリカの介入しない民主政府の樹立が、現在中東を取り巻いている新たな状況から生み出されることになるのは間違いないでしょう。

2011.2.12 11:40
エジプト:大統領辞任 市民が集まり喜ぶ

エジプトを強権的な政治手法で30年近くにわたって統治してきたムバラク大統領が辞任したことを受けて、首都カイロの中心部には大勢の市民が集まり、夜を徹して喜びを分かち合っています。

エジプトでは、11日夜(日本時間の12日午前1時すぎ)、スレイマン副大統領が国営テレビで声明を発表し、ムバラク大統領が辞任して、大統領の権限は軍の最高評議会に移譲されたことを明らかにしました。これを受けて、首都カイロの広場などで反政府デモを続けてきた人たちは、夜を徹して歌ったり踊ったりして喜びに沸き、街のあちこちで花火も打ち上げられました。カイロの市内では、大統領の辞任発表からおよそ11時間がたっても、大勢の市民が広場などに集まって喜びを分かち合っていて、興奮の余韻が続いています。街頭にいた男性は「大統領が辞めてとてもうれしい。一晩中祝うために街に繰り出してきた」と話していました。一方、関係者によりますと、大統領を辞任したムバラク氏は、家族と共に、紅海に面したシナイ半島の保養地、シャルムエルシェイクに移ったということです。当面の国の運営は大統領の権限を引き継いだ軍の最高評議会が担うことになりましたが、民主的な選挙に向けた憲法の改正や、一連の混乱で打撃を受けた経済の立て直しに直ちに取り組む必要があり、新たな体制の発足に向けて課題が山積しています。


2011.2.6 01:34
エジプト:ムバラク大統領、党首を辞任

騒乱状態が続くエジプトのムバラク大統領は5日、与党・国民民主党(NDP)の党首を辞任した。衛星テレビ、アルアラビーヤなど中東のメディアが一斉に報じた。
NDPはこの日、シャリーフ幹事長を更迭し、後任にリベラル派とされるホサーム・バドラウィ氏を起用した。ムバラク大統領の次男で党政策委員長のガマール氏も辞任した。

2011.2.5 23:38
エジプト:デモ隊と政権の溝埋める動きも 有識者ら「賢者委員会」

エジプト騒乱の長期化が懸念される中、ムバラク大統領の即時辞任を要求するデモ隊と、それを拒む政権との溝を埋めようとする動きが出始めている。その中心のひとつは、エジプトを代表する知識人らからなる「賢者委員会」。ムバラク氏からスレイマン副大統領への権限移譲を提案するなど、事態収拾に向けた落としどころを模索している。

委員会はデモ発生後、著名な人権活動家や実業家、外交官、研究者らが結成。民主化は不可避だとの立場に立つ一方で、今月に入りスレイマン氏と面会するなど、政権側からも一定の信頼を得つつある。

3日付の独立系紙シュルークによると、委員会はムバラク氏に対し(1)スレイマン氏への権限の移譲(2)非常事態令の解除(3)議会の解散(4)デモ参加者の身の安全の保証-などを提案。デモ隊に対しても、事態沈静化を呼びかけるとしている。

背景には、デモ隊と政権との溝が深まれば、混乱がさらに拡大し収拾がつかなくなるとの危機感がある。

「ムバラク氏の出国は避けられないわけではない」

ムバラク氏の追放を求める約20万人のデモ隊が集結し、カイロ中心部タハリール広場が革命前夜を思わせる熱気に包まれた4日。メンバーの一人で米カーネギー財団研究員のアムル・ハムザウィ氏は、中東の衛星テレビ局アルジャジーラの英語放送でこう述べ、インタビュアーを驚かせた。

政権転覆後の“報復”を恐れるムバラク氏と与党、国民民主党(NDP)に理解を示した上で譲歩を促したもので、デモ隊が「ムバラクを処刑しろ」とまで主張する現状では、かなり踏み込んだ発言といえる。

次期大統領候補ともいわれるアラブ連盟事務局長のアムル・ムーサ氏も4日、デモを主導する若者らと面会、政権との調停に乗り出す姿勢を示した。新ワフド党など既存野党も政権との対話に前向きだ。

ただ、デモ隊は親ムバラク派との衝突が起きた2日以降、態度を硬化。非合法の穏健派イスラム原理主義組織、ムスリム同胞団指導部のイサーム・アリヤーン氏は4日、「NDPを解散すべきだ」と要求をエスカレートさせた。政権側もシャフィク首相が同日、委員会提案に難色を示した。

混乱に伴い治安が悪化する中、市民には委員会などによる調停に期待する声もあるが、その努力が実を結ぶかどうかは不透明だ。

2011.2.5 09:21
エジプト:負傷者5000人に

エジプトの首都カイロ中心部タハリール広場一帯で4日行われた反政府デモは、5日未明になっても継続して行われた。周辺では、広場への突入を試みた親ムバラク派と軍との小競り合いがあり、負傷者が出た。保健省によれば、親ムバラク派と反ムバラク派の数日間の衝突で約5000人が負傷した。

一方、AP通信によると、野党側のエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は4日、記者会見し、ムバラク大統領退陣後の暫定政権に、スレイマン副大統領が参加することを容認する考えを示した。

暫定政権をめぐっては、軍出身者ら2、3人の「大統領評議会」による指導体制が必要だと強調。軍出身のスレイマン副大統領の参加も認めた。

エルバラダイ氏は会見で、ムバラク大統領の「即時退陣」を改めて要求。スレイマン副大統領には「結社の自由」を求めた。9月に予定されている大統領選の前倒しも訴えた。

エジプト政府は4日、夜間外出禁止令を午後7時~午前6時へと緩和した。

2011.1.17
チュニジア:政権崩壊 大統領宮殿で銃撃戦 きょうにも新内閣

23年間の強権的支配を続けていたベンアリ政権が全国的反政府デモで崩壊したチュニジアのガンヌーシ首相は16日、組閣作業が進む新内閣に関し、17日にも発表されるとの見通しを国営テレビで示した。新政権の最初の任務は治安の早期回復になると指摘した。チュニジアでは16日も首都チュニス近郊の大統領宮殿で銃撃戦が発生するなど混乱が続いた

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