2014年5月14日(水)17時0分配信 Yahoo ニュース
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混乱が続くウクライナ東部では、親ロシア派が主導する形で、自治権拡大の賛否を問う住民投票が実施されました。親ロシア派は最終的にはロシアへ編入されることを希望しているのですが、ウクライナ東部はどうなってしまうのでしょうか?
親ロシア派が庁舎の占拠を続けているウクライナ東部ドネツクとルガンスクの両州では11日、自治権の拡大を問う住民投票が行われました。自治権の拡大が議題ですが、事実上ウクライナからの独立を問う住民投票と考えてよいでしょう。
ウクライナの暫定政権はこの住民投票を正当なものとは認めていませんが、親ロシア派が武装して庁舎を占拠しているため、住民投票の実施に対して手を出せない状態にあります。
住民投票の結果は、圧倒的多数で自治権拡大を支持するものになりそうです。というのも、ドネツクとルガンスクの両州はもともとロシア系住民が多いことに加えて、親ロシア派が一部で不正投票を行っているといわれているからです。ドネツクとルガンスクの親ロシア派選挙管理委員会は、住民の9割以上が自治権拡大に賛成票を投じたと発表しています。
ただ、こうした住民投票の結果が、即座に両地域の独立や、ロシアへの編入につながるのかは不透明です。ロシアのプーチン大統領は、すでにクリミア半島を手に入れており、当初の目的をかなり達成しています。これ以上ウラクイナ問題に介入して国際的な批判を浴びることは得策ではないと考えており、両州のロシア編入については、ロシア側からは動きがない可能性もあります。
また住民投票の用紙に書かれている文言も、完全にウラクイナからの独立を意味しているのか、あくまでウクライナにとどまり自治権を拡大するのかについては、あいまいな記述になっているといわれています。親ロシア派も、事態がどちらの方向に転んでもよいように保険をかけているわけです。
このタイミングで親ロシア派が住民投票を強行した背景には、今月25日に行われるウラクイナの大統領選挙があります。東部の両州で大統領選挙が実施されれば、両州がウクライナからの独立を望んでいるというイメージが大きく低下してしまいます。両州で大統領選挙の投票が実施されるという事態は何としても避けたかったわけです。
とりあえず、EUや米国は、大統領選挙の実施を支持しており、混乱の中で新しい大統領が誕生する可能性が高くなっています。東部の親ロシア派に対するウクライナ政府の最終的なスタンスは、大統領選挙後にはっきりしてくるでしょう。
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